「君もそうだと僕は言うけど君はとやかく言うな」

 ある命題が正しいのなら、その命題を認める人は正しい判断をしていることになります。その命題が誤りなら、その命題を認める人は誤った判断をしていることになります。つまり、それを認めようが認めまいが自由だとするにしても、まずそれが正しいかどうかの論考が欠かせません。いつもいつもそうしなければいけないということではなく、いまここで論じられている「募金しなければ間接的に殺したことになる」というのは全称命題だからなのです。当てはまる人と当てはまらない人を選ぶ命題ではない、ということ。全称命題という言葉をご存知だろうか。(全称命題 - Wikipedia)。

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恵まれない人を見殺しにすると言うけれど

 マスメディアも発達していなかった頃には、自分の知らないところで多くの人が死んでいても知りようがない。ではその頃は、そうした恵まれない人たちを見殺しにすることが現代人より少なかったということになるのかな。現代では、テレビや新聞を見て、世界中の悲劇を見る機会が増えた。だけど何もしないで見ているだけだから、見殺しにしていることになるんだ間接的な人殺しなんだと言うけど、そしたらそれは、情報が発達したから間接的な殺人者が増えたということになる。何の話なのだ。こういうことじゃないか、テレビや新聞を見て「何もできない…見殺しにしちゃうしかない…間接的な人殺しなんだ私たちは…」と感傷にひたる人が増えましたよ、みたいな話でしかないだろう。

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命を食すのが悪であるならば

 私は昨日、義父と子と甥とともに離れ島に行って、魚やら磯のものを取ってきた。魚は中学生の甥っ子が釣った。義父はワカメを刈り、私はカメノテをむしった。帰ってきて煮て食った。そりゃぁ美味かですたい、子らは舌鼓を打ちながらアッと言う間に平らげ、義父と私の酒も進んだ。

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カルトな詐欺の押し売り口上

 「この○○を買うと、その代金で××の人々が命を救われます」「だからあなたも買いなさい、とは言いません」「しかし買わないのであれば、あなたが買わないことでその人たちが死ぬという事実を受け入れなくてはいけません」「買えなかった、のではなく、買わなかったのです。それで救える命を、助けられなかったのではなく、殺してしまったということです」「これを買うべきであると私たちは言っているのではありません。このように考えることを私たちはお奨めしているのです」

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「反石原的なもの」とは反動的な卑俗のことか

2007-04-09
 全く同意見。民主党はただ単に負けたというより、「次につながる負け方もできなかった」と見ている。どうも民主党は、このごろは社民党や変な応援団とくっついたりして、何を考えているんだろうと非常に疑問を感じる。あれで、本気で政権を取りに行く気があるんだろうか? あれよあれよというまに、かつての社会党のポジションに近づいて行っているのではないか。

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極限ボートの現実主義

2007-04-12
 私ならまず、この病人を海に落とすことに反対し、同乗者の説得を試みます。理由は、この状況でより生存率を下げるのは病気ではなく恐慌だからです。別稿の「平等とは」という観点からではなく、「この状況で少しでも自分の生存率を下げないなら」という観点から考えました。

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「沖縄は日本ではない」という差別について

 戦前の沖縄で、土地の言葉を使うと責められた、という話をよく聞く。沖縄の人々は「日本人である、日本国民である」という意識が低い…という中央政府の認識の下での、皇民化教育の強化があったと聞く。しかしそのことを問うなら、偏見や差別意識が強かったことのほうが、主因ではないか、そのようにも思えてならない。逆にいうと、当時の本土の人士にとって「沖縄」がどう見えていたのか、ということにもなろうかと思う。ウチナンチュでありつつヤマトンチュとともに日本人であるという意識が、そんなに低かったのだろうか。ならばなぜ、沖縄県民はあれほど米軍に奮戦し、戦後の沖縄は日本に復帰しようとしたのか。

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