「マジョリティの価値観」(3)

前エントリの続きです。三部作最終回は人生篇〜

「巨人・大鵬・卵焼き」・・・あぁ、高度成長期。そんな時代に生を受けた、ここにひとりの少年がいました。彼はゲイでした。そして、その時分には、ずいぶんと肩身の狭い思いをすることが多かったのでした。そんな彼も大の巨人ファン。巨人戦を見ているときが、憩いのひとときでした。強い巨人とひとつになれた。彼の性癖など知らない友人たちとともに観戦、王や長嶋に声をからしながら大騒ぎ。彼は疎外されないひとときを、巨人ファンであることで得られたのでした。そんな彼の大好きな言葉は、幼い頃に読んだガリレオの伝記、その言葉「それでも、地球は動く」。難しいことを考えたのではありません、ただ子供心に、感動が忘れられなかったのです。彼にとって、ガリレオのこの言葉は、信念でもあり希望でもありました。

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